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腰椎椎間板ヘルニア

座骨神経痛がつらい
病気の原因は?

腰の骨と骨の間にある椎間板というクッションが痛んで、その内容物(ヘルニア髄核)が脊柱管内の方へ飛び出すことで、神経を圧迫し、神経痛(座骨神経痛)や、下肢のしびれ、脱力をきたすものです。詳しくは、日本脊椎脊髄病学会ホームページをご覧ください
http://www.jssr.gr.jp/jssr_web/html/sick/index.html

治療の基本は?

治療の基本は保存療法です。保存療法とは手術以外の方法で、治療経過観察することです。
約80%の患者様は手術を必要とすることなく、症状の改善、消失に至ります。靭帯を破って硬膜外という脊柱管の中に突出したヘルニアは、体の防御機能/免疫力(つまり自然治癒力)によって吸収され、縮小することが最近の研究で分かってきています。またヘルニアによって起こる神経の炎症は急性期(約3週間~一カ月)を経過すると軽減し、安静にしていれば、ヘルニアが縮小していなくても症状は改善していきます。
当科での保存療法はコルセット、内服剤投与などです。腰椎牽引療法、物理学的療法は病診連携先の開業医の先生方に担当していただいております。急性期症状が強い場合には神経根ブロックを外来通院にて行います。

椎間板ヘルニアの新しい治療

コンドリアーゼ椎間板内注射療法

 新規承認医薬品の腰椎椎間板ヘルニア治療剤「コンドリアーゼ」(販売名:ヘルニコア椎間板注用1.25単位)は、2018年3月23日に厚生労働省が承認、5月22日に薬価基準収載され、8月から販売が開始されています。コンドリアーゼは、椎間板内髄核中の主な保水成分プロテオグリカンを構成するグリコサミノグリカン(主にコンドロイチン硫酸)を分解し、プロテオグリカンの保水能を低下させる特性を有しています。その結果、椎間板内圧が低下しヘルニアによる神経根圧迫が軽減され、臨床症状(下肢痛、腰痛など)が改善すると考えられています。
 適応は「保存療法で十分な改善が得られない後縦靭帯下脱出型の腰椎椎間板ヘルニア」となっています。
 同剤の使用にあたっては、日本脊椎脊髄病学会により、「日本脊椎脊髄病学会指導医、その指導下にある医師、もしくは本剤の治験に参加した医師」及び「椎間板穿刺経験がある、もしくは腰椎椎間板ヘルニア手術50例以上の経験がある医師」の医師要件と、「X線透視設備(C-アームなど)があり清潔操作のもと本剤を投与可能な施設」など4つの施設要件が定められています。当院は上記施設要件を満たしています。
 

手術療法は?

保存療法を6週間から3カ月近く行っても効果のない方や、排尿障害がある方、下肢の麻痺の強い方、長期間安静のために仕事などを休めない方には手術療法を検討します。
手術は内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法)や経皮的内視鏡視下椎間板摘出術(PED)を行っており、患者様の体への負担が少なくなるようにしています。
PEDの実際について
MED法(Micro Endoscopic Disectomy:内視鏡下椎間板摘出術)は、皮膚切開を加えて外径16~18mmの円筒を挿入し、内側に設置された3~4mmの内視鏡カメラを通した画像をモニターを見ながらヘルニアを摘出する手術法です。遊離して移動したヘルニアや巨大なヘルニアなど全てのタイプに適応できます。全身麻酔で行い、翌日より歩行を開始し、1週間の入院で退院できます。