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脊柱後側弯症

背中が曲がると歩くだけで腰が痛い
病気の原因は?

  背骨がつながっている状態を柱に見立てて脊柱と呼んでいます。生理的な脊柱の配列は、背中では後ろに凸、腰では前に凸の弯曲があり、前から見るとまっすぐな状態です。背骨が後ろに曲がり過ぎた状態(ねこぜがひどくなった状態)を脊柱後弯症と呼んでいます。原因は、椎間板が老化して体を支えられなくなったことのほか、背骨の圧迫骨折や背筋力の低下です。

症状は?

  通常は、軽度の背中の曲がりの状態では、体の各部分が代償することにより、症状はあまり強く自覚されませんが変形が進行しますと下記の典型的な症状が現れます。

前方注視障害

背中が曲がっているために前を向くことが困難となる場合があります。

慢性の腰背部痛  

  背中が曲がることにより、体の重心が前方に偏りますので、体を支えるために常に腰背部の筋肉が緊張している状態となりますので、疲労性の腰背部痛を生じます。本症状は、体を手や肘をついて支えると緩和します。
 

歩行障害

  患者さんは数十メートル程度の歩行で腰背部痛を生じ歩行が困難となりますが、しゃがんだり、座ったりすることで速やかに症状が緩和し、再び歩き出せるようになります。腰部脊柱管狭窄症に見られるような間歇跛行症状を呈します。狭窄症と違って、下肢のしびれや疼痛などの神経症状は生じないのが特長です。
 

長時間立位困難 

長時間の台所作業などが困難となります。長時間の立位作業では肘をつくなどして疲労を和らげる必要があります。

逆流性食道炎

  腰が曲がるとお腹が食い込んだようになり常に胃や腸が圧迫された状態になります。消化器内科でお薬の治療を受けても、治らない難治性の食道炎となります。

心肺機能低下

肺の容積が減少し心肺機能が低下していきます。

治療方法は?

軽症の場合
 運動療法を行います。当院では猫体操、マッケンジー体操、腰痛これだけ体操、ロコモ体操などを取り入れて治療を行っています。
重症の場合
 この手術の目的は、脊柱後弯を矯正固定して、より楽な生活を送れるようにすることです。具体的には、後弯の進行を止めること、脊柱変形による背中の痛みを軽くすることです。
 チタン合金製のインプラントを使って背骨の配列を正常に近い状態にします。必要に応じて椎間板や背骨の一部を切り取って背骨の配列を治すことも必要になります。金属は、骨がついて体を支えられるようになるまでの期間、体を支える役割を果たします。腰骨の脊柱変形の場合には、椎間板を取って変形を矯正する場合があります。

変形矯正の症例1

 

治療するといいことがありますか?
治療後の患者さんの感想から

近所で立ち話が長い時間出来るようになりました。
長時間歩いても腰が痛くなくなりました。
台所仕事が長時間出来るようになりました。
胸焼けなどの症状がなくなりました。
食欲が戻りました。
杖無しで歩けるようになりました。