腰痛のトリアージ 何もしなくても治る腰痛とそうでない腰痛

みなさんは、急激な腰の痛みに襲われたならどうしますか?

腰痛で、立つこともできなくなると、自分の体に何かただごとでない問題が起こったのではないかと不安な気持ちでいっぱいになりますね。病院に駆けつけて、詳しい検査を受けて原因を突き止めたいという衝動に駆られますね。でも多くの腰痛は原因が明らかでないことが多く、その割合は85%にものぼるといわれています。そしてその多くが、なんの治療もしなくても自然に症状が治まっていくのです。

腰痛があるからといって、全ての患者さんに詳しい検査をすることは、非常に無駄で効率の悪い状況となります。さらにその検査や治療に多くの医療費がかかるのです。現在、日本国は多くの借金を抱えており、政府は国の借金を減らすために、医療費を抑制しようとしています。そんな中で、全ての腰痛患者さんに同じように検査を行っていたのでは国の財政は破綻してしまします。

そこで考え出されたのが腰痛のトリアージです。腰痛の中にはがんや骨折などそのまま放っておくと重篤な障害や生命に危険を及ぼす事態につながる可能性のある疾患が潜んでいます。しかし、前述したように腰痛の85%は原因のはっきりしない非特異的腰痛ですので、全ての患者に詳しい検査を行う必要はありません。そこで腰痛の診断、治療の優先順位を決めておく事が重要です。腰痛の診断治療の優先順位を仕分けして行く事を腰痛のトリアージといいます。腰痛患者が初診した場合に必要な事は、注意深い問診と身体検査により、腰痛を以下の3つのカテゴリーにトリアージすることです。
①危険信号を有する腰痛
②神経症状を伴う腰痛
③非特異的腰痛

腰痛トリアージの中でも最も重要なのが、重病のサインを見逃さない事です。腰痛ガイドラインでは重篤な疾患を見逃さないための、腰痛症状の危険信号(レッドフラッグ)を定めています。
腰痛の危険信号(レッドフラッグ)
「レッドフラッグ」というのは、転移性脊椎腫瘍、脊髄・馬尾腫瘍、化膿性脊椎炎、椎体骨折、解離性大動脈瘤、強直性脊椎炎、閉塞性動脈硬化症、馬尾症候群などの存在を疑わせる危険信号のことです。
全腰痛患者に占める割合は1~5%でしかありませんが、絶対に見逃すわけにはいきません。具体的にはこういうサインがあります。
発症年齢が20歳未満または55歳以上
時間や活動性に関係のない腰痛
胸部痛
癌、ステロイド治療、 HIV感染の既往
栄養不良
体重減少
広範囲におよぶ神経症状
構築性脊柱変形
発熱

危険信号については腰痛診療ガイドライン2012 日整会、日本腰痛学会より転載しました。

上記の条件に当てはまらない、腰痛の時はじっくり慌てず様子をみることがいいでしょう。巷では整体、鍼、灸などの手技による医療類似行為で腰痛が治ったと喜ぶ人がいますが、何もしなくてもこれらの腰痛は治ります。一度試してみてはいかがでしょうか?

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