消費税増税再々延期

消費税増税の施行が再々延期されるとのニュースに、世間では目先の増税が延期されて良かったという意見が多い様です。しかし、私は少子高齢化対策、高騰する医療費、年金などへの財源がなくなることが気がかりです。さらに将来この延期のつけが子供達にのしかかってくることに大人たちが気づかぬふりをしている様にも感じます。それにしても政治家はいとも簡単に前言(公約)を撤回できる職業なのだとつくづく思わされました。医療現場では患者への説明を撤回することなどあり得ません。われわれは常に第3者の厳しい目で評価されていることを忘れずにキチンとした責任ある医療を提供していきたいものです。

診療報酬改定2016 湿布処方の制限 一度に70枚まで

湿布の処方枚数が制限されます!

厚労省は今回の診療報酬改定(診療や治療にかかる費用の改定)で一回の受診で処方出来る湿布の枚数を70枚までに制限することを取り決めました。

1日2回貼り替えの湿布薬では

両膝と腰、首に症状のある患者さんで1日の湿布必要枚数を考えると、両膝で二枚✖️2回、腰には二枚貼ると、同じく二枚✖️2回、首には一枚貼付で我慢していただくとして一枚✖️2回で合計10枚が必要となります。処方制限が70枚なので一週間で使い切ることになります。

腰痛だけの患者さんの場合には、1日4枚が必要とすると、約17日分の処方になります。

慢性化した腰痛患者さんには1〜2カ月おきに通院としたいところですが、これからはマメに通院していただくか、不足分は自費で湿布を購入していただかなければなりません。

実は国(厚労省)は、この不足分を保険外(自費で購入)とするか、我慢してもらうことで医療にかかる費用を年間30億円程度削減しようと目論んでいます。

おそらく今後は治療に有効性の示されていないビタミン剤なども保険外診療となることでしょう。

外来診療で患者さんに、湿布の処方制限について説明する日々が新春から始まります。

 

医療類似行為による危害に遭われたら。

医療類似行為による危害について

私は脊椎疾患の専門医ですので、頚部痛、肩こり、腰痛の患者さんを多く診る機会があります。そのような患者さんの中には、マッサージ、指圧、整体、カイロプラクティックなどの医業類似行為を受けたが、症状がさらに悪化したということで初めて当方の診察を受けに来られる方がいます。ひどいものでは、これらの類似行為の施術後に上肢の麻痺症状が出現したケースも経験しています。本来このような事例は、刑法上の業務上過失障害に当たると思われるのですが、多くの患者さんは泣き寝入り状態のようです。被害を受けた人は速やかに医療期間を受診し、国民生活センターや消費者相談センターや警察に被害を報告すべきであろうと思います。 私はこれまで、このような報告窓口があることを知りませんでしたが、先日 NHKのクローズアップ現代でこの医療類似行為の危害についての特集があり国民生活センターの存在を知りました。再発防止に向けて、今後は、診療に訪れた患者さんの中で、医療類似行為の危害にあわれたと診断できるものは積極的に報告していきたいと思っています。

以下は国民生活センターからの情報の転載です。

国民生活センター(PIO-NET=全国消費生活情報ネットワークシステム)には、整体やマッサージ等、器具を使用しない手技による医業類似行為を受けて危害が発生したという相談が2007年度以降の約5年間で825件寄せられており、件数は増加傾向にあるようです。

相談の概要(国民生活センター調べ)をみますと

  • 「整体」や「カイロプラクティック」など、法的な資格制度がない施術を受けて危害が発生したと明確に判別できる相談が少なくとも4割以上を占め、法的な資格制度に基づく施術の相談に比べて多いと考えられた。
  • 危害程度の回答があった640件のうち498件(77.8%)は危害発生後に医療機関を受診していた。
  • 危害部位は、腰部・臀部(でんぶ)や首、胸部・背部が多かった。
  • 危害内容は、神経・脊髄の損傷、骨折、擦過傷・挫傷・打撲傷の順で多かった。
などとされています。
相談事例では、マッサージによって肋軟骨を骨折した例や、遺伝性の脊柱管狭窄があることを事前に伝えて、マッサージを受けたが全治3ヶ月の障害をおこしたなどが報告されています。
〜消費者庁の重大事故等に係る公表( http://www.caa.go.jp/safety/new_2015.html )より。〜
整体やカイロプラクティック等で健康被害にあわれた場合は速やかに医療機関を受診し、地元の消費生活センターにご報告ください。
医師の先生方へ。 これらの健康被害を診察された場合は速やかに国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」にご報告ください。 http://www.kokusen.go.jp/jiko_uketuke/index.html
医療類似行為による危害を防ぐために、みんなで取り組んでいきましょう。

診療報酬削減が必要な国家財政の状態ですが公務員給与は増えます。おかしくない?

政府は平成27年12月4日の給与関係閣僚会議と閣議で、2015年度の国家公務員の月給とボーナス(期末・勤勉手当)に関し、2年連続で引き上げることなどを求めた人事院勧告の完全実施を決めています。 勧告内容を盛り込んだ給与法改正案を来年の通常国会に提出する予定だそうです。

一方で経済財政諮問会議は、国家財政が持たないので社会保障費を削減する必要があると言っています。

なんだか話が矛盾していておかしくないでしょうか?

消費税を上げる前に、公務員の給与を下げるとか、国会議員の定数を削減するとかしないと、国民は納得できないです。

 

あなたは知らないうちに診療報酬不正詐欺に加担している?

 最近、診療所、歯科医院、接骨院などでの診療報酬不正詐欺が話題になっています。吉本の芸人や、元タレント女医などもそれらの詐欺に関与していたとの事で注目されています。多くは本人が知らない間に、治療者側が診療報酬を不正請求をしているようです。
 詐欺に加担した人(患者側)は、一度その医院、接骨院などを受診しただけで1万円程度のお金をバイト代のように受け取っていたようです。また詐欺診療施設は患者を紹介した人には紹介料を提供しネズミ講式に患者を集めていたようです。
 それらの詐欺行為を行っている施設は経営状況が悪かったり、1~2年で突然閉院するなどの特徴があるようです。
 多くの地方自治体や保険連合会は、保険医療を受けた患者に対して後日、その医療費を保険機関が医院にいくら支払ったかの明細書を送って告知をしているようです。従って患者は自己負担分の他に自分の治療費が医院にいくら支払われたかを知ることができ、チェックもできます。ですので自分が行った病院が水増し請求や架空請求をしているかは、患者さん側が調べればすぐにわかります。

 悪質な医療機関では不正請求や水増し請求を行っており、その不正請求額は年間1億円を超えているようです。

 みなさんも、自分の治療費、保険病名をきちんとチェックしてみてください。あなたも知らない間に詐欺行為に加担しているかもしれません。

大病院の初診料  紹介状無しで全額負担に?

京都第一赤十字病院整形外科は平成26年4月から紹介状のない初診患者様の受診制限を始めています。
これは当院の本来の機能である高度で専門的な医療を行っていくために、院内のマンパワーを外来機能から入院手術治療部門へ集中するためです。本システムの効果の検証はまだ出来ていませんが、外来では手術などの専門的治療を必要とする個々の患者様への診察時間が十分にとれるなど当科勤務医からは好評なようです。

今回、厚労省は紹介状なしの大病院受診、初診料を患者の全額負担とする案を審議するとしています。これは前述したように大病院の勤務医に本来の高度で専門的な治療に専念してもらおうという意図があります。
審議の結果早ければ2016年4月をめどに導入する方針で来年の通常国会に法案を提出する方針のようです。
消費税率引き上げ分を医療介護などの社会福祉費に充当するとされているのに、さらにこの上に極端な負担増加を国民にもとめる策なので世論の反発は必至でしょう。法案が国会で通るとは思えませんが議論を注視していきたいと思います。

具体的には紹介状を持たずに大病院を受診した場合
初診料2820円が全額自己負担になります。さらに当院の場合特定療養費も追加されますので合計8070円の負担がかかります。これに検査や、治療の費用が上乗せになると大変な負担になります。

自賠責の柔整施術費の適正化

自賠責の柔整施術費の適正化求める、日医

 自賠責において柔道整復施術費用が、2012年度までの最近5年間で約1.5倍に増加しているようです。これに対して日本医師会は柔道整復施術費の適正化を求める答申書を政府に提出しています。

 自賠責における柔道整復施術費の総額は、2008年度の約452億9000万円から、2012年度には673億3000万円にとなり、約1.48倍となっています。事故の発生件数は増加していないにも関わらず、柔道整復施術申請件数は21万7000件でこれも1.47倍に急増しています。これら柔整施設における2012年度の平均施術期間は106.1日であり、医師が行う自賠責診療の68.8日を大幅に上回っています。
施術期間に比例して、慰謝料や休業補償が算定されるために患者側は治癒効果の認めなくなった(症状固定に達した)段階でも無用に長い治療を受ける傾向にありますが、これらの患者の治療を柔道整復師は止める事が出来ず、施術費を荒稼ぎしている状況なのです。このような状況を私たち国民はよく知るべきではないでしょうか。

柔道整復療養費費は4000億円超える。

2011年度の診療科別の医科診療所の入院外の医療費(外来)を見ると、小児科 3561億円、産婦人科 1892億円、耳鼻科 3931億円ですが、柔道整復療養費は4000億円を超えています。打撲、捻挫のみの処置に4000億円超の費用がほんとにかかっているでしょうか。

慢性の肩こり、頚部痛、頭痛は、頚肩腕部の捻挫や筋挫傷の病名で、腰痛は「腰椎捻挫」「腰椎筋挫傷等」の病名で慰安目的のマッサージが行われているのが実情です。他には「ウォーターベッドを利用した」人が、「胸部捻挫」「右肩関節捻挫」の病名で保険請求されています。これらの療養費に小児科や産婦人科の外来医療費と同等のコストが費やされています。

同じ肩こりで悩んでいる人が、自費で治療を受けている人と、一方では公共の医療費で治療を受けている人がいるのです。

なにかおかしいと思いませんか?

紹介状なしで大病院なら1万円?

紹介状なしで大病院なら1万円 厚生労働省が改革方針 2013年8月31日

患者の集中を防ぐために
紹介状を持たずに大病院を受診した場合に徴収できる「初診時選定療養費」を一律1万円に設定する方針を厚生労働省が固めた。患者の集中を防ぎ、大病院が救急患者や重症患者の治療に専念できるようにするのが狙い。30日付けで日経新聞が報じている。

大病院では紹介状を持たない患者に対して「初診時選定療養費」と呼ばれる負担金を課すことができる。現在、全国に約2600ある200床以上の病院のうち、約1200の病院でこの負担金を徴収している。初診時選定療養費の現在の全国平均は1998円となっている。最高は北野病院(大阪府)の8400円らしい。厚生労働省はこのたび、この負担金を一律1万円に定める方針を来年の通常国会にかける健康保険法改正案に盛り込むことを決めた。軽症患者の大病院への受診抑制に実効性を持たせるために、この選定療養費を政策誘導でさらに引き上げるというわけだ。話は少し違うが、世界遺産となった富士山への入山者数を抑制するために、入山料をいくらに設定するかということが話題になっていたが、お金で人のコントロールをしようというところは似ている。

さらに、かかりつけ医で紹介状を書いてもらうにも費用がかかる。現在は紹介状、正式には「診療情報提供書」は保険点数で250点と定められているため、3割負担の人なら750円が必要となっている。今までは選定療養費が安い(特に1000円前後)と、紹介状無しで病院を受診しても、患者の費用負担はあまり変わらなかったわけである。今後は、かかりつけ医を経ず病院を受診すれば確実に高いコストを支払わなければならない状況になる。といううことで軽症の患者は、信頼できる優秀なかかりつけ医に受診する事が最も重要となる。優秀な開業医の先生を患者さんが見つけるのは難しい事かもしれない。しかし大病院側の視点から見ると、優秀な開業医、信頼できる開業医はある程度把握できている。具体的には、患者紹介頻度の低い開業医や、紹介頻度は高いが、その後の治療適用率(あるいは手術適応率)が低い患者ばかり紹介してくる開業医は、地域医療連携指数が低い開業医となる。大病院ー地域の開業医間の連携を強化していくなかで、開業医、かかりつけ医にも優劣ランクが生じてくる可能性がある。