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PED•PELDとは

 
2015-10-11

経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PED / PELD)

 
京都第一赤十字病院では経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PED/PELD)が受けられます。
経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PED)とは
従来行われてきた一般的な腰椎間板ヘルニア摘出術は、腰部を2~6cm程度切開するため、リハビリなどを含めても7~14日の入院を要しました。しかし当院で行っている経皮的椎間板摘出術(PED)は約8㎜と非常に小さな切開で手術が行えるため、短期間の入院で治療ができる手術法です。治療には、高周波メスや、専用の内視鏡を使用し、安心、安全な治療が可能です。
また、※レーザー椎間板治療(PLDD法:経皮的レーザー椎間板減圧術)に比べて、効果が確実であり、健康保険での治療が可能です。
※レーザー椎間板治療(PLDD法:経皮的レーザー椎間板減圧術)は、国内においては、健康保険が適応されない治療法です。また、PLDD治療法はすべての椎間板ヘルニアの患者さまに効果がある治療ではありません。民間治療施設の中には、局所麻酔で、合併症のある方にも安心して、施術が可能であるとしている施設もあるようですが注意が必要です。透析患者様、椎間板の老化(加齢現象)の認められる患者様、高齢の患者様、また脊柱管狭窄症を併発している患者様においては、特に慎重な手術対応が必要です。

主な特徴

1.局所麻酔※で行うため麻酔によるリスクがかなり低い
2.局所麻酔であっても、麻酔科医が、鎮静、鎮痛、安全のための専門的な管理を行います。
3.切開部が小さい。(約8mm)、抜糸不要
4.レーザー治療と違い、椎間板ヘルニア組織、および神経組織を直接見ているため、確実な治療が可能です。(安全・確実)
5.術後5時間後より歩行開始、翌日退院が可能です。(ただし無理は禁物)

※ 現在、L4/5以上の高位の椎間板ヘルニアに適応されます。


PELD手術概略図 RICHARD WOLF社資料より転載

<経皮的内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術(PED)の方法について>

・従来、椎間板ヘルニアの手術には全身麻酔下に2~6cmほどの皮膚と筋肉の切開が必要で、入院も8~14日間程度必要でした。細い内視鏡(RICHARD WOLF社製)、や専用の高周波メスを用いることで、ヘルニアの形によっては局所麻酔で、約8mmほどの皮膚切開で手術を行うことが可能になりました。
・局所麻酔後、ヘルニアの存在する場所の皮膚を切開し、直径7mmの筒を挿入し、内視鏡で椎間板を観察しながら椎間板ヘルニアを摘出します。
・局所麻酔であっても、麻酔科担当医が、手術中に気分が落ち着くように、また、局所麻酔で効果が不十分な場合にも、痛みを和らげるように、管理します。

PED専用の内視鏡手術器械 RICHARD WOLF社製

<経皮的内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術(PED)症例提示>

<本法の利点と期待される効果について>

・手術によるキズ、筋肉の損傷が少なく、術後の回復が早く得られます。
・従来の方法に比べて術後の痛みは軽く、術直後より歩行可能です。入院は術後1泊が可能です。
・普通に切開する術式に比べると改善率はやや劣ります。これによって下肢の痛み、しびれ、筋力低下は徐々に改善します。(しびれなどの軽い症状は残る可能性があります)

<腰椎椎間板ヘルニアのその他の治療法について>

・手術方法には、PED法以外に、通常進入法(ラブ法)および顕微鏡を使用したヘルニア摘出術(マイクロラブ法)、内視鏡視下ヘルニア摘出術(MED法)、腰椎前方固定術、経皮髄核摘出術(PN法)などがあります。当院ではいずれの手術の方法でも治療が可能です。当院では、経皮的レーザー椎間板髄核蒸散法(PLDD)は保険適応外治療(厚労省が保険診療を認めていない)であること、効果が不十分であることなどから、行っておりません。

<本法の危険性・合併症について>

・頻度は少ないですが局所麻酔薬に対するアレルギー症状が出ることがあります。
・手術自体による合併症:硬膜損傷、髄液漏、神経損傷、血腫、感染などの危険性はゼロではありません。
・硬膜外水腫のため、まれに頭痛が起きることがあります。この場合手術を中止することがあります。
・手術の中止、変更について
 ヘルニアが神経と強く癒着していて除圧が不十分になつてしまった場合、出血が多い、硬膜や神経にダメージを与える可能性があるなど、術中所見によっては合併症の発生を回避するために経皮的内視鏡手術を中止し、後日に通常の開創術あるいは内視鏡ヘルニア摘出術に切り替える場合があります。
※これらの危険性、合併症は、従来法でも同様に起きる可能性のあるものです。

<術後後療法・リハビリテーション>

・手術当日:手術1時間後より飲水可能、手術5時間後より歩行可能
・腰椎軟性コルセット:3ヵ月装着を原則としています。
・手術翌日に退院が可能です。
・重労働、スポーツ復帰:術後12週から

<退院後の通院>

・手術後1週、3週、3ヶ月、6ヶ月、1年の時点で再来していただきます。レントゲン、MRIなどを適宜撮影させていただきます。

<術後気をつけるべきこと、術後の過ごし方について>

・手術はあくまでもヘルニアを切除するに過ぎません。腰椎を安定させ、再発防止に心がけてください。
・術後の無理は禁物です

・退院後から1週間

食事時間や1時間以内の勤務時間であれば立ったり、座ったり、正しい姿勢なら步いてもかまいません。低い姿勢をとる時は、腰を曲げずに、膝を使ってかがむようにします。体をねじる動作は控えてください。腰の運動をする時は立ったり座ったりしたままで行わないようにします。 手術創を消毒する必要はなく、絆創膏は7日後に剝がします。歩いたり、立ったり、動く時にはコルセットを着用しますが、家で橫になって寝る時は着用しなくてもかまいません。

・術後2週から3週

学校や職場にも行けますが、1時間ごとに必ず立って腰を伸ばし、まっすぐに立って步いてから、また座るようにします。1週目と同樣、腰をねじったり、かがむ姿勢はとってはいけません。入浴は可能です。 1時間以内であれはば自分で車を運転してもかまいません。

・術後3週から3ヵ月

きつすぎない労働、事務や家事、勉強などは正常に行えます。コルセットは術後3ヵ月間ほど着用します。

・術後3ヵ月以降

重労働も可能です。術後の椎間板の状態を確認するため、レントゲン撮影検査、MRI検査を行います。

・ 施術後6ヶ月、12ヶ月にも受診していただき、腰の診察を行います。
・その他の 注意事項

喫煙は腰に悪影響があります。椎間板の老化現象をこれ以上進行させないためにも、本治療を機会に、禁煙にトライしてみましょう。 糖尿病、高血圧や、心臟疾患などの内科疾患で薬を服用している場合は、内科医師の指示のもとに薬を続けて服用してもかまいません。

<当院でPED手術を希望される患者様へ>

当院でPED手術を希望される患者様は、必ず最寄りのかかりつけ医※の紹介状、当院医療連携室での受診予約をおとりの上、受診してください。上記手術は、高度な専門的技術を必要とする手術方法です。本手術の適応条件に合致した患者様であるかどうか、あるいは手術が本当に必要な状態であるかどうかを診察および検査を行った上で、厳密に決定しています。腰椎椎間板ヘルニアの手術は、そのほとんどが相対的手術適応(手術が絶対必要な状況ではなく、患者様の状況に応じて、手術するかどうかを慎重に吟味すべき状況)です。手術の決定までには、一定期間、当院への通院を要することもあります。また、手術後、退院されました後も、当院への通院が可能な方にのみ、当院での施術を行っています。以上を御理解の上、受診されますようお願い申し上げます。
お住まいの近くでPED手術が可能な病院のリストを本ホームページ内に掲載しておりますので、ご参照ください。
※大澤医院におきましても病診連携予約の対応が可能です。


腰椎椎間板ヘルニアにたいする経皮的内視鏡視下椎間板摘出術(PELD)の案内

PELD手術例の診断から手術までの流れ

胸腰椎の疾患について